「ありきたりな公園の風景画を、モランディの静物画みたいなテイストでつくってみたい。」と思ったのがきっかけで制作した公園景シリーズからの1点です。「自然を含みながらも人工的に計画された場所」として、公園に興味を持っていた時期がありました。取材した公園は自分の住む那覇市内から、東京まで色々でしたが、私のモチーフとしては、ありきたりで没個性的でどこか寂しげな公園を好んでいました。本作は那覇市内、街中にある小さめの公園をモチーフにしています。手法は他の藤本作品同様に、合板に下地処理した後、アクリル絵具の積層と研削で制作しています。制作の流れとしては、原寸大の線画を、画面とは別のトレーシングペーパーに作成します。そして、塗り重ねる色のレイヤー構成をプランニングしますが、必ずしもモチーフの持つ固有色には拘らず、絵画的に良いと感じる色をチョイスしています。線的にも色面的にもプランがある程度決まったら、トレーシングペーパー上の線画をパネル上に転写し、本画制作に入ります。画面では、下塗りと木目を潰す削りによるプレパレーションの後、部分、ベタ合わせて20層以上描写としての塗りを重ね、水をかけながら耐水サンドペーパーでの研削していきます。削っては画面をモニターすることの繰り返しで完成と思える画面が現れてきます。作品の画面、側面は平滑なマチエールなので作品をふきん等で拭き掃除することもできます。作品裏面もパネル貼り後アクリル絵具で塗装して作品耐久性を上げています。展示用ヒモ付け済み。