2020-Fall-04

コンセプト

私たちを取り巻く具体的な環境を超えて、私の絵画は空間と時間の抽象的な領域を探求しています。

私は常に非客観的に絵を描き、ほとんどが直感と、絵の具や表面からの即時のフィードバックに頼っています。抽象化とは、世界を見る方法であり、想定されたものを解体し、目に見えないもの、つまり私たちの経験の深みを探る方法なのです。このような深みでは、新しい世界が生まれます。絵画とは、私たちが見ている世界の構造化された枠組みから解放され、神秘的なものに触れていく、解放のプロセスなのです。

私は伝統的な絵画技法を捨てて、水性のアクリル絵具と油性のスプレー絵具を自由に組み合わせています。実際の風景と同じように、水と油が混ざり合ってカラフルな関係になります。このプロセスは、自分ではコントロールできない有機的な結果をもたらします。乾いたら、アクリル、ラテックス、木炭などを重ね、色と形の複雑なフィールドを積み重ねていきます。繰り返されるマークからリズムが生まれ、テクスチャーと色の有機的なシンフォニーが現れます。鑑賞者の皆様には、良い音楽を聴くように、私の絵画の効果を体験していただきたいと思います。

2020年と2021年の私の最新作は、古代の山脈の背景と現代の都市の景観の並置を反映しています。コンクリート、ネオンサインの看板、加工された材料の格子状の構造は、千年前の地理に比較的最近加えられたものです。この相反する2つの力の関係が、常に進化し続けるカラフルなリズムを生み出しているのです。私は必ずしも自分の目で見たものを描くのではなく、この永遠の風景の中に存在する経験を言い換えているのです。そのために、アパラチア地方の下層部、ブルーリッジ山脈を中心にアンプレインエアーで描くことが多いです。最終的には、私の作品は、音楽のように楽しむだけでなく、私たちの自然環境の中に組み込まれた時間を超越した神秘的な世界を垣間見ることも目的としています。