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【INTERVIEW】DELUXESTO:「現在を生きる」ために描く

2024/03/19
TRiCERA ART TRiCERA ART

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4月13日〜20日に9s Galleryで開催される3人展『春があなたと出会わせる』に参加するアーティスト、DELUXESTO
展覧会では連作《high school boy》を発表します。

この記事では、DELUXESTOがアーティストを目指すまでの過程や制作に向き合う姿勢、展示作品に関するストーリーをインタビューしました。

work

宮崎県出身、東京都在住。独学で絵を学び、ファッション、ストリートカルチャーをベースに制作した作品が注目を集める。
特定のスタイルにこだわらず、その瞬間に描きたいものを作品に落とし込む作風が特徴的。



アーティストになるまで


-まずは、アーティストとして活動されるまでの道のりを教えてください。


元々、自分のアパレルブランド立ち上げを目指していました。
高校の頃、周囲の友人の影響でファッションに夢中になって、服飾専門学校に入るために上京したんです。
そこで4年勉強して、卒業後はバイトしながらブランド立ち上げのために色々やって……。
ただ、その道はあんまりうまくいかなくて。

もう半ば諦めていたんですけど、それでもどこか吹っ切れなくて、Instagramにデザイン画を上げていたんです。
そしたらたまたま目に留めてくれる人から反応をもらえて、それをどんどん続けているうちに、気づいたらアーティストになっていた、という感じですね。


-独学で絵画制作を身につけられたということでしたが、もともと絵を描く習慣はあったのでしょうか?

小学生くらいから、友達と漫画を描いたりはしていましたね。

意識的に描き始めるようになったのは専門学校時代からです。
服飾系の学校だったので、デザイン画を描く授業があって、それが一番好きでした。
縫製とかパターンとかは苦手だったのもあって、デザイン画の授業にはのめりこんでいましたね。
たぶんその経験で画力がついたんだと思います。


その時々の感性を作品に落とし込む

work1
《コラージュ》2020

-DELUXESTOさんの作品は、初期の頃はコラージュで、その後人物画に移行されるなど作風の幅が豊かな点が印象的です。


基本的にはその時描きたいものを描くというスタイルですね。例えば初期のコラージュは、当時Instagramで別の人がよくやっていたのを見かけたのでその影響を受けて始めました。

コラージュから人物画に移行したのは2021年ごろですが、当時もちょうどキャンバスにポートレイトを描いてブレイクしたアーティストがたくさんいて、アートフェアでもすごい話題になっていた時期で。
当時人気の絶頂だったアーティストを追いかけて自分も描き始めてみたら、キャンバスにアクリル絵具で描くっていうのが自分の中でも思いの外ハマって、今に至るという感じですね。

キャンバスって立体的なので、なんだか特別感があって。
なおかつハンドペインティングなので、やり直せないという緊張感もある。
一時期はデジタルに移行しようとした時期もあったんですが、やっぱり自分に向いているキャンバスに落ち着いています。


work2
《deluxesto man no.43》2022

-人物画を描き始めてからも、最初無表情に近かったのがだんだん表情豊かになったり、目の表現が変わったりとかなり変化がありますね。


元々はポップなものを描きたいという思いがあり、自分のルーツであるストリートカルチャーやファッションにこだわってモチーフを選んでいました。
なので、初期の人物画はラッパーっぽいゴツいゴールドチェーンをつけたストリートファッションの男の子とかが多いです。

ただ、だんだん別の表現にも挑戦したくなったので、最近は意識的に一つのスタイルに固執しないようにしています。


グループ展出品作品”high school boy”について

high school boy1
《high school boy 1》2024

-今回、4月に開催されるグループ展に出品いただく作品は学生がモチーフなので、初期の人物画とはかなり異なる印象です。


4月という時期に合わせて、「春」から自分なりに連想した「新学期の男子高校生」を描きました。
新しい環境にちょっと身構えているようなイメージです。

カラーはブルーでまとめています。
元々ブルーが好きなのと、「春」だからピンクにするのは直球かなと思って。
ブルーの明度を明るくしたり、グリーンに寄せて「春」っぽくしています。

あと、最近はアニメっぽい表現を取り入れたいなと思っていて、目の表現をアニメに寄せました。
パチンコに行くことがあるんですが、ロボットアニメの台の演出映像が結構格好いいんですよ。
それにアニメの舞台って学校が多いので、それも今回のモチーフ選びに影響したかもしれませんね。


high school boy 2
《high school boy 2》2024

-男子高校生がモチーフとのことですが、制作にあたってご自身の経験が投影されていたりしますか?


いえ、あまり過去の自分にこだわってもつまらないなと考えているので。
自分自身が過去にどう感じたか、というより、今の感覚を掬い取って制作していきたいです。
ストリートカルチャーとかファッションは自分のルーツではあるけれど、そこに囚われすぎずに自由にやっていければと思っています。



high school boy3
《high school boy 3》2024

-展示に来場される方に伝えたいメッセージはありますか?


単純に、自分の作品を好きになってくれる人がいればいいな、とは思いますね。ただ、何を感じるかは観る方の自由なので。

自分にとっては、絵を描くことは今感じていることを作品に落とし込む、過去にこだわらずに「現在」だけを意識する行為です。
それをずっと続けることで、ブッダみたいに悟りを開いた、精神的に成熟した人間になれるんじゃないかと思っていて。

実際、自分の人生を振り返ると、今の自分がこれまでで一番成長している状態だな、って実感するんですよ。この状態を作品制作でキープしていきたいです。


グループ展概要

春があなたと出会わせる
個展開催日程:2024/4/13(土)から 2024/4/20(土)
営業時間:12:00 - 20:00
※ オープニングパーティー:4/13(土)18:00-20:00
※ 最終日 17:00 CLOSE
※ 休館日:4/14(日)、15(月)

会場:9s Gallery by TRiCERA
〒106-0031 東京都港区西麻布4-2-4 The Wall 3F
アクセス:東京メトロ日比谷線 六本木駅 徒歩10分・広尾駅 徒歩10分
東京メトロ千代田線 乃木坂駅 徒歩10分
連絡先:​​03-5422-8370

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展示会に関するお問い合わせはこちらから



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著者

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現代アートの歴史・楽しみ方・各アートジャンルの解説など、役に立つ情報を芸術大学卒業のキュレーターが執筆しています。TRiCERA ARTは世界126カ国の現代アートを掲載しているマーケットプレイスです。トップページはこちら→https://www.tricera.net