運命と予測不可能性は同義語だと思う。運命は人間に対してだけでなく、船に対しても変わりうる。最近仲間になった記録写真の中から、私はまばゆいばかりの白さの桟橋に停泊する客船の薄暗さとイメージに注目した。船体の頬骨が強調されていることから、この船が前世紀初頭のドイツの伝統的な船型であることは間違いない。 検索を広げると、この船の幸福な運命を物語る素晴らしい写真が見つかった。MS MILWAUKEEは、ブローム＆ボス社によって建造されたドイツのディーゼル旅客船で、ハンブルグ・アメリカ・ラインのために1929年2月に進水した。ハンブルクからニューヨークへの大西洋横断航路で使用され、同じ航路でカナリア諸島、マデイラ島、スペインへのクルーズも行った。見事なラインと特徴を持つこの船が幸せであっただけでなく、何千人もの乗客も幸せであり、その幸せそうな顔は公文書館や個人コレクションの写真に残されている。 しかし！1939年までである！第二次世界大戦中、この船はドイツ海軍の兵舎船として使用された。1945年、この船はエンパイア・ウェーブニーという新しい名前で英国政府に引き渡され、軍隊の輸送に使われた。1946年3月1日、リバプール・ドックで火災に遭い大破。 1947年、スコットランドでスクラップとなった。 これがこの船の旅路であったが、その運命は、1929年にクルーズ会社ハンブルグ・アメリカが最新鋭客船MSミルウォーキーの命名を決定したウィスコンシン州ミルウォーキーというアメリカの都市と深く関わっていることが判明した。現在と同じように、戦争は複数の国とその国民の絆を破壊し、人類と船の未来を決定づけた。
