Scenery IV

コンセプト

2011年３月、東日本大震災が発生しました。他人事とは思えず、もし自分だったらどんな生きた証があるだろうか？と考えた時、それは絵画でした。
私は小さい頃から絵を描くのが好きでしたが、絵を専門に学ぶ道には進まず、自分の感性でデッサンや構図を学んできました。
本格的に絵画を描き始めてから10年程になります。
その時々に自分が感動したものをキャンバスに反映させる作業は自分との向き合いです。
絵を描きながら、自分と向き合えることに幸せを感じます。

石川県には「いしかわ動物園」があります。そこにテナガザルの家族がいます。
その中でも母ザルの「サクラ」は、とても面白い表情をしています。
それを描いてみたい!と思ったのです。
それでここ数年は、テナガザルの家族達をモデルに、自分自身と重ね合わせながら描いています。
遠い場所に思いを馳せる時間と、テナガザルを通して見えてくる空想の景色。
果てしない道の真ん中で、
不安、希望、夢、心の表現、喜び、悲しみ…
心の内側から見えてくる景色があると思います。
自己と向き合うことで生まれる物語の先には、作品を創るとは何か？
制作しながら考えています。
絵を描くのは楽しい。
これからも、いろいろな表現方法を試しながら、がんばっていきたいと思っています。