月乃カエルのアート作品は、オリジナルのデジタルイラストをカットし、何層にも積み上げ、更に透明樹脂でコーティングした半立体作品です。イラストによる階層が作品に複雑な影を落とし、更にその上を透明樹脂等を使ってネイルアートのような装飾性を加えることで、この世界を覆う複雑な階層を表現しています。この世界は自身が見える世界以上の「見えない世界」と繋がっていて、その世界を感じることが、分断や対立を回避すると
感じています。透明樹脂は、「そこにあるが見えない階層」を表現する上で、作品中に欠かせない素材となっています。ガーベラのを型取った支持体の上に、ミラーとアクリル板で階層構造を作っており、ミラーによる反射性とアクリル板の透過性による周囲の映り込みで、そこに見えているが実体のない、見えない階層が生まれています。いくつものガーベラの花が集まって一つのガーベラを構成しており、ひとつの生命がいくつもの細胞で構成されているようにも、その生命がいくつも集まって地球がひとつの生命体として捉えられるようにも見ることができます。