子供の頃から絵画を制作してきたが、次第に色彩の不思議な世界に引き込まれるようになっていった。学生時代に初めて油絵具を揃えた嬉しさは忘れられない。次第に抽象の世界に魅力を感じ、この20年程は、直線と曲線が交差してできるスペースに色を埋めてゆく事で、響き合う音色や動的なものを表現してきた。明度と彩度を変えることにより、全く表情も形も変わっていく。製作者と鑑賞者の間に、重力という同じ環境の中で共有できる感覚があるのではと思いながら、制作している。画材は油彩から始まったが、アクリル絵の具へ、そして今は日本画の材料と変わってきた。日本の伝統的な材料ならではの微妙な表現を追求していきたいと思っている。
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