Shougo Abiru

1961年に長崎県の対馬市に生まれる。
生まれた当時、島の人口は7万人ほどで現在は3万5千人。
美術館は無く、美術とはほぼ無縁の田舎でした。
そんな環境で自然の造形物だけが、私の感性に刺激を与え育てたと思います。

中学生の時に良い美術の先生に出会えた事で、漠然とではありますが彫刻家になってみたいと思う気...

1961年に長崎県の対馬市に生まれる。
生まれた当時、島の人口は7万人ほどで現在は3万5千人。
美術館は無く、美術とはほぼ無縁の田舎でした。
そんな環境で自然の造形物だけが、私の感性に刺激を与え育てたと思います。

中学生の時に良い美術の先生に出会えた事で、漠然とではありますが彫刻家になってみたいと思う気持ちが生まれました。

高校生の頃は、美術への憧れはあったものの、理数系を選択して、なんとか地方の国立大学の工学部に進学しました。

大学に入ってからは美術館によく足を運ぶ様になり、中学生の時に芽生えた彫刻家への憧れが大きくなりすぎて、工学的な分野から気持ちが離れてしまったので、大学を中退する事にしました。
その後しばらく迷ったりした時期もありましたが、アルバイトをしながら26才で東京藝術大学の彫刻科に進学する事が出来ました。
大学時代は金属を主な素材にしていましたが、自分の表現したい物と素材質感の間に、微妙な違和感があって、モヤモヤした気持ちを持っていました。

自分の求める空間表現とガラスが近いのではと思いがあったので、美術を遅く始めた事への開き直りもありガラスも学んでみる事にしました。

ガラスを扱い始めてからは、素材感のズレは無くなったのですが、サイズ感の問題で、大きな壁にぶつかりました。金属を扱っていた頃には思いもしなかった事ですが、ガラスは大きくなればなるほど、制作は困難になっていきます。
そして大きさの問題を解決するために、苦労の末なんとかオリジナル技法を開発しました。
全ての私の作品は、そんな技術の土台の上に成り立っています。