SOBATA Satosi

「果たして、絵を描くことの意味とは何か？目的とは何か？絵の本質とは何か？存在とは何か？尊厳とは何か？絵を描くことは楽しいことのはずなのに、多くの人が、小さい頃のように楽しめないのはなぜなのか？」私はずっとこの問題を考えてきました。1970年に奄美大島に生まれ、物心ついてすぐに絵を描き出し、多くの人が夢...

「果たして、絵を描くことの意味とは何か？目的とは何か？絵の本質とは何か？存在とは何か？尊厳とは何か？絵を描くことは楽しいことのはずなのに、多くの人が、小さい頃のように楽しめないのはなぜなのか？」私はずっとこの問題を考えてきました。1970年に奄美大島に生まれ、物心ついてすぐに絵を描き出し、多くの人が夢を抱けるような作品を生み出すマンガ家になろうと決めていました。小学生の頃は、マンガの登場人物の顔をノートに描きまくっていましたが、ストーリーは殆ど生み出せませんでした。中学校の美術の授業の中で、どう描いたらいいのかという疑問を持ち始め、対象物を正確にデッサンできたとしても写真に敵わないではないか、であれば、なぜ上手く描けているかどうかで絵を評価するのか？と技術を重視する美術教育に疑問を抱くようになりました。この疑問を抱きながらも、中学3年生の美術の授業の中で、印象派の作品をスライドで観せてもらい、写真とは違う美しさに感動を経験しました。この疑問があったため、大学で絵を勉強することは、講師の旧態依然とした常識を押し付けられるだけなのではないか？と考え、専門の大学で勉強する道へは進まず、他の人からの教えを請う機会も殆ど持ちませんでした。そしてしばらく、冒頭の問題に答を出すことができなかったため、描きたくても描き出すことができずにいました。そんな20代の頃、パステルというプリミティブな画材に出会ったことをきっかけに、自分の描きたいものは存在としてのモチーフではなく、存在の本質そのものであることに朧げに気付くことができ、平成17年（2005年）より「光景画シリーズ」の制作を開始しました。環境問題に関心を持っていたので、油絵具やアクリル絵具のように環境を汚染する絵具ではなく、子供が使っても安全性に問題無いような絵具があればと考えていたこともパステルを使い出した理由の一つです。その後、パステルと同じく安全性が高く、発色が素晴らしい特徴を持つ、シュトックマーの蜜ろうクレヨンと出会い、平成20年（2008年）から使い始めました。支持体としては、洋紙と比べ強靭で風合いも良い特徴を持つ和紙を使い始め、ここ数年はずっと阿波の竹和紙を用いています。更に令和3年（2021年）に、安全性が高く、発色が素晴らしい特徴を持つ、まっちの水彩絵具と出会って使い始めました。また、作品の本格的な販売をようやく開始しました。ずっと試行錯誤を重ねながら創作活動に取り組んできましたが、冒頭の問題に明確な答を出すことはできていない中、平成27年（2015年）に認識技術nTech（当時は「観術」の呼称でした。）と出会い、平成28年（2016年）に「無有シリーズ」の制作を開始しました。nTechによって、「存在が動くのではなく、動きが存在する」のだと明確に理解でき、私が作品として描き出したいのは、尊厳そのものなんだ！と腑に落ちて、令和3年12月13日、尊厳を再創造する「尊厳アーティスト」として活動していくことを宣言しました。nTechという真理の智恵（智）の技術を使い、この宇宙というフィールド（畑）で、尊厳を再創造（蘇）していくことを自らの使命とし、不信と不安と閉塞感で溢れている現代社会の絶望を反転させ、そして、特別な人だけでなく誰もが今ここにおいて無限の創造性を発揮しながら新しい感動を再創造し、希望と尊厳が世界中に満ち溢れている心の時代を、多くの人達と応援・協力し合いながら創建していくことを志しています。また、尊厳アートとはどういうものか？、なぜ誰もが再創造行為を楽しめるようになるのか？を多くの人に伝達していきたいと考えています。