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【INTERVIEW】蟷螂子新作・ただ在るだけの美しさを描く:《KAIKA》シリーズ

2024/03/12
TRiCERA ART TRiCERA ART

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個展・グループ展では完売を連発し、100人10の抽選販売では100人以上の応募が殺到した新進気鋭の現代アーティスト、蟷螂子。

美人画の再構築を目指す蟷螂子は、新作として、花をただ存在することの美しさの象徴として描いた《KAIKA》シリーズを発表します。今回は、蟷螂子が新作に込めた思いをインタビューしました。




『美人画の再構築』に挑む現代アーティスト。女性を通じて人間の生命力を描き出す。

2021年より作家活動を開始する。その後わずか2年で台湾・釜山など海外アートフェアに多数出展し、人気を博した。2023年8月には大丸・松坂屋が経営するギャラリーGINZA SIX Artglorieux Galleryにて、草間彌生らとともにグループ展に参加するなど、現代アート界からの期待も高い。

さらに、同月TRiCERAで実施した個展「Do girls dream of Electric City?」では出品作7点、12月開催の「Christmas Miracle」展では2点、2024年1月開催の「27」展では9点がそれぞれ全点完売。



《KAIKA》アーティストステートメント


古来から女性美を花に喩える表現が多くあった。

女性という役割を担うことが前提となっている世界だ。

KAIKAは、花と女性という美人画で頻繁に登場するモチーフを使いながらも、美の束縛とも言える「役割」からの解放を描くシリーズとなる。

色は少なく、輪郭のみが強調された匿名性漂う花が湛えるのは、作為のない美しさ。


「縛られない女性美」を体現


KAIKA5
《KAIKA #5》

-今回の《KAIKA》シリーズでは、「花」をメインモチーフにされていますね。


はい。私は制作を通じて人間そのものの美しさを描きたいと考える中で、その美しさを成り立たせている一因は「有限性」だと感じています。

生きている限り必ず寿命は来てしまうけれど、いつかは終わるからこそ人生はかけがえのないものなんじゃないかと。
同様に、「花」も咲いた次の瞬間には散っていく儚い存在です。
《KAIKA》シリーズでは、両者を一つの画面に描き、「有限性」によって現れる美を表現することを目指しました。


KAIKA6
《KAIKA #6》

-《KAIKA》シリーズの花は無色で、花弁の形は様々です。モデルにした特定の花はあるのでしょうか?


実は、あえて《KAIKA》シリーズの花には特定の品種を持たせないようにしています。
「バラだから綺麗」「ひまわりは夏らしくてかわいい」のように、具体的な花には固定のイメージがついていますよね。
でも、それは人間がそう思っているだけで、花自体はそんなことを気にせず咲き誇っている。

反して、人間は他者からの基準をもとに自分や他人の美醜を判断しています。
特に女性に対しては、一方的に「美しい女性はかくあるべき」という理想が押し付けられてきました。
「新しい美人画」を目指すにあたって、そうした古びた基準を肯定したくはなかったんです。

なので、《KAIKA》シリーズの花はあえて色をつけず、花弁も作品ごとに変えています。
「花」をどんな姿形であれ、そこに在るだけで美しい存在として描くことに挑戦しました。


偶発性に見出す美


KAIKA7
《KAIKA #7》

-花弁から絵具が垂れているのも印象的です。


花弁から絵具がしたたる描写は、花が朽ちていく表現であると同時に、ハンドペインティングにしかできない表現を追求して生まれました。

私は2023年にデジタルからハンドペインティングへ移行したのですが、その際に最も感じた両者の違いは、画面をどこまでコントロールできるかの差です。
デジタル上では作品サイズから色彩まで自由に変えられますが、ハンドペインティングは違います。
キャンバスのサイズを途中で変えられないし、絵の具の色もカラーコードで細かく決めることはできません。

ただ、ハンドペインティングには、その不自由さゆえに偶然辿り着く表現があります。
それこそがハンドペインティングの強みだと考え、今回絵具を重力に任せて垂らすという方法に挑戦しました。

それぞれの花弁に現れた筆致は、自然が生み出した二度と再現できないものです。
作品をご覧になる際は、そうした面もぜひ注目いただけると嬉しいですね。


《KAIKA》シリーズ購入をご希望される方へ


現在、TRiCERAでは蟷螂子作品のご購入を希望される方向けにウェイティングリストへのご案内をしております。

ウェイティングリストに参加されたお客様には、今回ご紹介した作品を始め、今後制作予定の《KAIKA》シリーズや他シリーズ作品に関しても随時販売情報を発信いたします。

ご参加の際は、公式LINEより「カマキリコ」とご送信ください。専任スタッフより個別にご案内差し上げます。




《KAIKA》シリーズは4月・5月グループ展にて展示予定


今回の記事でご紹介した《KAIKA》シリーズ作品は、4月と5月に9s Gallery by TRiCERAで開催するグループ展にて出展予定です。

グループ展概要

春があなたと出会わせる
開催日程:2024/4/13(土)から 2024/4/20(土)
営業時間:12:00 - 20:00
※ オープニングパーティー:4/13(土)18:00-20:00
※ 最終日 17:00 CLOSE
※ 休館日:4/14(日)、15(月)

“UPDRAFT” Rising Artist from 100人10 2023/24
開催日程:2024/5/18(土)から 2024/6/1(土)
営業時間: 12:00 〜 19:00
※ オープニングパーティー(招待制):5 /17(金)
※ 最終日 18:00 CLOSE
※ 休館日:日曜日、月曜日

会場:9s Gallery by TRiCERA
〒106-0031 東京都港区西麻布4-2-4 The Wall 3F
アクセス:東京メトロ日比谷線 六本木駅 徒歩10分・広尾駅 徒歩10分
東京メトロ千代田線 乃木坂駅 徒歩10分
連絡先:​​03-5422-8370

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著者

TRiCERA ART

現代アートの歴史・楽しみ方・各アートジャンルの解説など、役に立つ情報を芸術大学卒業のキュレーターが執筆しています。TRiCERA ARTは世界126カ国の現代アートを掲載しているマーケットプレイスです。トップページはこちら→https://www.tricera.net