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オルセー美術館|フランス・パリにある印象派の宝庫

2023/04/10
TRiCERA ART TRiCERA ART

芸術の都、パリ。
世界的に有名な美術館が集結するパリの中でも、通をも唸らせる屈指の美しさとコレクションを誇る美術館、それがオルセー美術館です。
印象派やポスト印象派などの、「近代美術」と呼ばれる時代の作品が所蔵されているのが特徴です。
かの有名なモネ、ゴッホなどの大画家の作品を目の当たりにできます。

今回は、そんなオルセー美術館の魅力から、具体的なアクセス方法などをご紹介していきます!


オルセー美術館とは?

駅を再利用している美術館

オルセー美術館に入館すると、まず驚かされるのが、ヨーロッパの荘厳な雰囲気を醸し出す建物です。
それもそのはず、このオルセー美術館は、もともとは、1900年にパリで開催された万博のために建設されたオルセー駅を再利用し、1986年にオープンした美術館なのです。
駅舎の特徴的な長い空間と丸い天井は、柔らかい自然光を彫刻作品の上に落とし、世界でもトップレベルの美しい美術館となっています。


ルーヴル美術館との違い

パリには、世界最大の美術館「ルーヴル美術館」も存在します。
世界一有名な絵画《モナリザ》を所蔵することでも有名な美術館ですが、そんなルーヴルとオルセーの違いはなんなのでしょうか?

答えは、収蔵作品の年代の違いです。
ルーブル美術館は、1848年までの作品コレクションが中心となっているミュージアムなのですが、それに対し、オルセー美術館は、1848年以降から第一次世界大戦のはじまった1914年までの作品が展示されているミュージアムです。この時代というのは、フランス革命以降の混乱期を経て王政が終了し、フランスに民衆の時代が到来した時代でした。この時期パリは世界の文化やアートの中心的存在であり、印象派、ポスト印象派と近代アートの基となり、現代アートに大きな影響を与えてきた作品の数々が、ここオルセー美術館に展示されています。



オルセー美術館で見るべき作品

珠玉のオルセーコレクションから、訪れたなら絶対に見たい作品10選をご紹介します。

①《落穂拾い》


ジャン=フランソワ・ミレー, 1857
《落穂拾い》は、収穫後の落穂を拾い集める3人の農婦を描いています。3人の農婦の背後には大勢の人が収穫作業に追われ、刈り取った麦が高く積まれており、馬に乗った農場主らしき人物も描かれています。
その収穫の賑わいから遠く離れ、黙々と落ち穂を拾う3人の農婦。
空気遠近法によって農婦と後ろの農民の遠近感が表現されており、大空と大地の自然の中で、懸命に生きている人間の尊厳を感じる作品です。

②《自画像》(ゴッホ)


フィンセント・ファン・ゴッホ, 1889
美術史に大きな足跡を残したゴッホ。自画像をいくつも描いていたことでも有名です。
実際、彼がなぜ自画像をこれほどたくさん書いたのかについては、経済的な理由によりモデルを雇うことができなかったからであると言われています。
ゴッホは、数々の自画像の中で、印象派や浮世絵の手法といった彼自身が出会い取り込んでいった絵画の技法を実験する場として使っていました。

③《ローヌ川の星月夜》


フィンセント・ファン・ゴッホ, 1888
《星月夜》というタイトルで有名なもう一つのゴッホによる夜の風景画がありますが、こちらの《ローヌ川の星月夜》は、南仏のアルルという街で描かれたものでした。ゴッホがアルルに移住して構えたアトリエは「黄色い家」と呼ばれており、のちにゴーギャンと共に3ヶ月ほどの共同生活とその破局を体験する場所になります。
「色彩の画家」とも呼ばれるゴッホは、夜の風景を工夫して表現しています。
夜空に浮かぶ、太古から輝き続ける星々と共に、この時代に誕生し普及し始めたガス灯という人工的な灯りの両方を捉えようとしています。

④《リンゴとオレンジ》


ポール・セザンヌ, 1899
「りんごでパリを驚かせたい」これは、セザンヌの口癖でした。
斜めに置かれた木の小さなテーブルに、白い布が無造作に投げかけられ、いくつかの果物が無造作に転がっているように見えます。
ぱっと見は至って普通の絵画に見えるのですが、よく見てみると、水差しが傾いていたり、お皿も傾いて果物が今にも転がり落ちそうになっていたり、白い布に隠された机の角は繋がっていません。
一つの物体を様々な角度から描いたキュビズムとも関係のあるセザンヌの独特のスタイルは、「その物体が最も美しく見える角度で見た光景を構成して描く」という方針に支えられていました。

⑤《タヒチの女(浜辺にて)》


ポール・ゴーギャン ,1891
ゴーギャンは元々パリで株式仲買人の仕事をしており、趣味で始めた油彩画がのちにプロとしての食い扶持になりました。当初はピサロなどの印象派の中心人物たちと関わっていたのですが、次第に忙しないパリの空気に疲れ、オセアニアにある当時フランス領の島国タヒチに渡りました。
この作品は、自由と原始的な美を求めてタヒチに渡ったその年、1891年の作品です。
何かを思うように目を閉じている左側の女性と、葉っぱを持ってアンニュイな表情を浮かべるもう一人の女性。この神秘的な雰囲気は、まさにゴーギャンがタヒチという未開の地に求めていたことでした。

⑥《オランピア》


エドゥアール・マネ, 1863
1863年のサロン(官展)に出品され、大スキャンダルを巻き起こした《オランピア》は、まずモデルである女性が裸体で描かれている点が注目されます。当時の美術界では、女性を裸体で描くことは一般的でしたが、《オランピア》のモデルは、裸体でありながらも自分勝手な目線で鑑賞者を見つめています。これは、女性が従順な対象としてではなく、自己主張する主体として描かれた革新的な表現です。
また、モデルの身体の描写も注目に値します。従来の美術では、女性の身体は理想化された美しさを追求する傾向がありましたが、《オランピア》のモデルは、現実的な身体表現がされています。そのため、観る者にリアルな印象を与え、さらに作品の時代性を感じさせます。
さらに、背景に描かれたカーテンや、モデルの側にいる黒い猫など、緻密な描写がされている点も魅力の一つです。これらの細部にも、マネの独創的な表現力が発揮されており、作品全体の完成度を高めています。

⑦《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》


ピエール=オーギュスト・ルノワール, 1863
絵画全体から感じられる活気溢れる雰囲気が魅力の一つです。舞踏会の場を描いた本作品では、多数の人物たちが踊りながら、酒や食事を楽しんでいます。それぞれの人物が、それぞれの楽しみ方をしているため、鑑賞者は彼らの中に身を置いたかのような感覚を味わえます。また、絵画の右上には、舞踏会の景色を一望できる場所からの視線を描いた部分があり、観る者に空間の広がりを感じさせます。

さらに、絵画内の人物たちの表情やポーズの描写も魅力的です。ルノワールは、人物たちが持つ個性や心情を、細かな描写で表現しています。例えば、絵画の中央に描かれた男女のカップルは、恋人同士としての親密さが感じられるように描かれており、二人の表情や手の動きなどから、それぞれの感情を推し量ることができます。

⑧《青い睡蓮》


クロード・モネ, 1916
この作品の魅力は、青い睡蓮が浮かぶ池の表面に反射する光と水面の描写にあります。モネは、光の微妙な変化や光と影の表現に非常に繊細で、水面の光と青い色彩が美しく調和しています。青い色調の睡蓮が浮かぶ池は、静かで穏やかな空間を表現しており、鑑賞者に癒しを与えます。また、モネは画面を斜めに配置することで、青い睡蓮がより大きく、立体的に見えるように工夫しています。

さらに、モネの技術的な巧みさも、この作品の魅力の一つです。モネは、多数の色彩を使用して、光の表現を追求しており、青色や紫色の中にも多彩な色調が含まれています。また、筆のタッチも非常に自由で、草や花、葉などの自然物の描写も独特の感性で表現されています。

⑨《画家のアトリエ》


ギュスターヴ・クールベ, 1849
この作品は、クールベが自らが主張する「現実主義」を追求した一つの代表作としても知られています。現実主義は、芸術においても、社会における現実をリアルに描写することを目的としており、クールベはこの思想を最も貫いた芸術家の一人です。画家のアトリエは、現実主義の理念を体現する作品であり、画家自身が描く風景の中に、当時の社会や文化の様相を描き出している点が、この作品の魅力の一つとなっています。
クールベは他にも、《世界の起源》という女性器のみを描いた衝撃的な作品もあり、そちらもオルセーに所蔵されています。

⑩《灰色と黒のアレンジメントNo.1-母の肖像》


ジェームズ・マクニール・ホイッスラー, 1871
この作品の最大の魅力は、母親を描いた人物像が、リアルな肖像画とは異なる芸術的アレンジで表現されている点にあります。具体的には、母親の服装やポーズ、背景などが、抽象的で美的な様式で描かれており、一見すると肖像画ではないかのような印象を与えます。また、淡い灰色と黒のグラデーションを使った色使いが、シンプルで美しい印象を与えます。
さらに、この作品は、芸術と現実の関係性についての問いかけを含んでいます。ホイッスラーは、絵画の中で現実を完全に再現することに疑問を抱き、現実から抽出された要素を芸術的に表現することを主張していました。この作品もその思想を体現しており、母親の肖像画であるにもかかわらず、芸術的アレンジが加えられ、絵画としての美的価値を追求しています。
そのような考え方はタイトルに反映されており、この作品においても「アレンジメント」と呼ばれています。


オルセー美術館への行き方と入場料

アクセス


オルセー美術館はパリ中心部のセーヌ川沿いにあります。ルーヴル美術館とも近くセーヌ川を渡り徒歩15分弱の距離です。
公共交通機関で行く場合、最寄り駅はRER(パリ近郊鉄道)のC線 オルセー美術館駅(Gare Musée d’Orsay)です
地下鉄(Metro)の場合は、12番線のソルフェリーノ(Solférino)駅が最寄りです。Solférino駅からも徒歩5分弱です。

営業時間・休日

開館時間: 9:30-18:00(木曜は21:45まで)
最終入場時間 17:00(木曜は21:00まで)
休館日:月曜日・5/1・12/25

見学時間の目安

かなり早足で見て2時間ほど、通常のペースならば3時間ほどはかかります。
彫刻などもしっかり鑑賞しようと思うと、4〜5時間はかかってもおかしくないでしょう。しっかりと時間を確保しておきましょう。

入場方法

A〜Cの4つのエントランスがあります。
当日のチケット購入はAから入場します。事前に公式サイトからチケット購入をしている場合は、エントランスCから入場しましょう。
やはり、エントランスAには長蛇の列ができることが多いので、事前にチケットを購入しておくのがおすすめです。


(参考)オルセー美術館公式サイト

オルセー美術館公式サイト



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現代アートの歴史・楽しみ方・各アートジャンルの解説など、役に立つ情報を芸術大学卒業のキュレーターが執筆しています。TRiCERA ARTは世界126カ国の現代アートを掲載しているマーケットプレイスです。トップページはこちら→https://www.tricera.net