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  • EXHIBITION
  • Painting

「西洋の外見と東洋の内面を併せ持つ」START ARTIST vol.1 ~ Zeng Chao

2021/07/29
Masataka Kuwada

TRiCERA発のオークションイベント「START」第一弾の出展作家の"なぜSTARTに出展したか"を主軸にしたインタビュー、ならびに新作の紹介を行います。

オークションイベント「START」とは

2021年2月に行われた「START」。アートに携わる様々な人たちを「セレクター」としてゲストに招き、それぞれの視点からアーティストを選び、そしてその魅力を伝える言葉と共に、その作品をオークション形式で販売いたしました。「アートをこれから始める」という方にも分かりやすい設計を行い、またオークションがはじめての方、オンラインではじめてアートを買う方など、様々なひとたちの「スタート」になるような企画となっております。

作家紹介

曾超 (Zeng Chao)

1985年、中国、湖南省生まれ。 東京造形大学大学院 造形研究科 博士後期課程 造形専攻 美術研究領域修了。

「START」に参加したきっかけ

私がモチーフとして描いている「仮山石(かざんせき)」は中国で伝統的に使われている"庭石"です。そういった古来からある中国のスタイルを現代の技法を用いて表現し、過去と現代を混在させた作品になります。新しくアートに興味を持たれる人に、こういった新旧が折り重なるコンセプトの作品をお見せできればと思い参加いたしました。 「START」では著名人からセレクトされた作品が出展されましたが、TRiCERA ARTの発足当時から親しくさせていただいているTRiCERA社代表の井口さんに選出していただきました。

「START」に出典した作品について

作品名:KS191004

サイズ:53 × 53cm
技法:キャンバスに油彩
作品のタイトルには「仮山石」のK、「皴法(しゅんぽう)」のSという二つのキーワードで構成されている。 「皴法」とは、墨のタッチにより山や岩の質感を表しており、筆を滑らかに滑らせることによって描く山水画における技法である。 「仮山石」は、中国、江蘇省で見られる、自然の力によって複雑な形の凹凸や様々な穴がついた岩のことである。 START展に出典した「KS191004」は、「KS」シリーズの作品であり、モチーフは「仮山石」という庭石であり、中国の庭園造形の歴史を象徴するものある。 このシリーズはスノーボードをイメージして、「仮山石」を筆を滑らせて執筆しており、KS191004は背景との明暗を強調して、世界の万物は気から生じるという中国の伝統的な考え方を文字通り表現した作品となっている。

既存作品の紹介

作品名:Self Portrait 3

作品サイズ:530 × 460 mm 技法:キャンパスに油彩
 
作品価格

360,000円

購入はこちらから
現在の中国の思想はヨーロッパからの影響が強く、外見は西洋に様変わりしてきている。しかし、中国の本来のアイデンティティは精神性であり、内面には強い気の力を秘めている。
今回紹介する「Self Portrait 3」という作品にはそんな彼の意図が込められている。 顔になっているのが、「仮山石」という曾超の作品の代名詞とも言えるモチーフを作品にしたものであり、中国のアイデンティティを表している。 この作品の人物像はスーツと赤色のネクタイを身につけているが、スーツは西洋の文化、赤いのネクタイは社会主義を象徴しており、伝統と現代、東洋と西洋の組み合わせに社会主義が入り混じった正に現在の中国そのものを表現している。  

作品名:KS191025

作品サイズ:1940 × 1940 mm 技法:キャンパスに油彩
 
作品価格

1,250,000円

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今日の中国においては、都市化が進み、以前には見られなかったような経済とテクノロジーの価値を中 心とした街の風景があふれている。それでも今なお伝統的な「仮山石」が都市の中の庭園にたたずんでいる。
現実の仮山石の形を単に再現するのではなく「気刀」や「気筆」による様々な筆致を強調し、そこに制作者としての独特な感性を追求するものである。それによって画面上での筆法によって生み出された形象の中に「気」の生成の現象を重ね、「皴法(しゅんぽう)」と「気韻(きいん)」と自己の制作の複合的な関わり合いを実現することを目指したものである。  

作品名:KK130925

作品サイズ:910 × 910 mm 技法:キャンパスに油彩
 
作品価格

320,000円

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仮山石の「形似」(現実対象物のリアルな再現)だけを追求するために行われるのではない。「気韻」という概念と自己の制作において見出される表現上の現代的な観念の関わり合いを通して、「気韻」 の意味の重要さを再認識するとともにその概念の現代芸術表現上の新たな可能性として再検討しようと試み制作を進行させた。  

展示会などについて

Zeng Chaoは9月11日から開催される中之条ビエンナーレにて出展を予定している。 参加アーティスト:115組 展示会場:群馬県中之条町 町内各所 展示期間:2021年9月11日(土)-10月11日(月祝)の31日間 9:30-17:00 無休 https://nakanojo-biennale.com/about

セレクター

この9月に中之条ビエンナーレに展示するZeng Chao氏。作家として成熟度を増しつつある。コンセプトに対しての表現も、筆致と筆流それぞれに拘りをもち制作しており、彼の確かな技術には定評があり鑑賞するものを飽きさせない。 特に立体的に見える仮山石をモチーフとした作品をオススメしたい。

井口 泰 株式会社TRiCERA 代表取締役/Founder 一般社団法人日本アートテック協会(JAAT)理事

著者

Masataka Kuwada