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  • EXHIBITION

Quick Insight vol.1 - yuta okuda-

2021/01/15
Shinzo Okuoka

日本や台湾などアジアのアートシーンを舞台に活動しているyuta okudaは、生き物や花を通し、自然の摂理にある美しさの描き出し、その姿を肯定しようと試みる。『TAKEO KIKUCHI』のファッションデザイナーからアーティストへ転身した彼の活動とその背景について話を聞いた。


まずは作品について簡単にご説明願えますか?

作品は無意識の自己投影と自己解釈がベースになっています。無意識のレベルで生き物たちを思い浮かべ、それを意識レベルで般若やマリリンや狛犬などにしていきます。

無意識で描きたい題材は、常に花や生きもので、そこから美と醜、愛と嫉妬、生と死など相反する二つのテーマを1枚の中に表現しています。モチーフは常に生き物なんですが、食物連鎖をコンセプトに、自然の摂理の美しさを描いています。

wisdom

743×607, 2019, pigment ink /Kent Paper

 

もともとはファッションデザイナーだったそうですが、アーティストになったきっかけは?

きっとアーティストになりたい気持ちが強かったからだと思います。デザイナーとアーティストとでは、全く性質が違いますから。

商業デザイナーに個性は求められない。決まったデザインを、決まった通りに、決まったスケジュールでこなしていくことが必要なんです。でも、それがストレスだった。だからスタートは「ただ自分の描きたい絵を描きたい」という、本当にそれだけだったと思います。

そうして、すぐに絵を描き始めたのですか?

いいえ、最初は自宅でひたすら描いているだけでした。今見返すと、その頃の絵は、すごく密度が高く見える。負の感情を吐き出している感じでしたね。人に見せることなんか考えても見ませんでしたね。全く、これっぽちも。言わば毒素ですから、自分の(笑)。

Purple Rose (Pink x Purple)

33.3×24.2cm, アクリル・顔料インク・キャンバス

作品はこちら

 

 

 

 

 

プロとしてスタートしたきっかけは何でしたか?

認めてくれた人たちがいたんです、私の絵を。自分のネガティブが丸出しになった絵を「いいね」と言ってくれる人たちがいた。驚きだったし、有り体に言えば、気持ちが良かった。商業デザイナーではそんなこと絶対に有り得ない。ファッションでは取り繕いをしていたけど、絵画は裸です。その部分を見せて、評価してもらえたことが嬉しかった。

そんな時期に友人のアーティストを見たりして、その姿に嫉妬し、「自分も」と考えました。でもやるならプロとして、趣味ではなく、生半可な気持ちは捨てようと思っていました。やるなら、徹底的にやろうと。

作品は自己投影的と仰っていましたね。当初から同じスタンスですか?

最初の頃は「ひたすら描く」に尽きますね。平均したら1日15時間くらいかな。3日間描いて半日寝るとか、とにかく吐き出そうと思って。溜まっていたもの、湧いてくるものを全部吐き出したら、ようやくコンセプトが見えてきた。それが「自己投影」。

ファッションとは正反対です。そっちではコンセプトメークが先にあって、そこから組み立てていましたけど、私がアートでやっているのは自分自身を発見していくこと、つまり一番正直な自分を出すこと。どれだけ裸になれるか、どうやってその部分を引き出すかが重要になってくる。自分の経験がどういった形でアウトプットされるか、それを見てみたいんです。

Abstract Bouquet (Navy x Purple)

33.3×24.2cm, アクリル・顔料インク・キャンバス

作品はこちら

 

 

 

 

ご自身の経験をベースにしているとインプットが大変じゃありませんか?

最初の3年で尽きましたね(笑)。30年の人生が、3年で底を突いた。でも、それは上澄の30年だと思っています。もっと掘り下げられると思うんです。自分の本質が何か、自分のベースが何か、この3年で自分の30年を振り返ることが出来た。3年かけて、ようやく自分が分かってきた気がするんです。だから、これから色んなものを取り入れ、新しくつくっていく。

最近では墨を使用した作品も増えました。その変化は意図的なものですか?

私の作品は、やはり、私自身と連動しているから変わりはするんです。物質的にも精神的にも、昔と全く同じような絵を描けと言われても、それはすごく難しい。

変わりはするけど、でも言えることは、今自分がやっていることに嘘がないということ。本当に疑問が湧かないんですね。さっきも話に出ましたけど、私の絵はいかに裸になれるか、自分に正直になれるかが重要。だから、それを基準に考えるのであれば、今やっていることに間違いがないことは断言できると思います。

一方で素材については常にアップデートを心がけていますね。水彩も試したし、銅版も油彩も、日本画も、あとは粘土など色々と試した。その結果、自分の性質に合うのが墨だなと。

Abstract Single Flower (Sax x Purple)

36×14cm, アクリル・顔料インク・キャンバス

作品はこちら

新しい目標と課題も見えてきて、今は次のステップを目指されている。その目標は、もう具体的に見えているんですか?

私の作品は自己投影なので、やはり、将来のビジョンの全てがはっきりとはしていません。言えることは、それでも自分に嘘はないということ。制作では裸でありたいし、正直でありたい。だから自ずと出て来る自分の経験を活かしたいですね。

ようやく空っぽに慣れたので、これからは様々な経験を取り入れ、それを絵画に練り上げていく仕事が待っていると思います。環境や自分の変化を理解しつつ、取り入れ、自分の絵画に落とし込んでいく。どう変わっても、私の場合は自分に嘘がなく、疑問がなく、正直であるならば大丈夫なんです。

私にとって絵は一番の裸の部分、正直な部分を見せることですから。

Profile
ロンドンへ留学後、ISTITUTO MARANGONI ロンドン校 ファッションデザインマスターコースでディプロマを取得。帰国後、ファッションブランド『TAKEO KIKUCHI』にてファッションデザイナーとして勤務。退社後は、ファッションデザイナーとしてではなく、アーティスト『yutaokuda』として活動を開始。繊細な線と滲みを駆使し、花や生き物をモチーフに食物連鎖など、自然の摂理の美しさを描いている。時には、生と死や美と醜などの相反する両面を騙し絵などの手法を用いて描いてもいる。現在は、個展やグループ展など国内外問わず積極的に作品を発表し続けている。 

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著者

Shinzo Okuoka