こちらを見つめる猫の赤ちゃんを題材に描かれている。猫は、画家と一緒に暮らす彼女が愛してやまない飼い猫である。このサイズ感でこの上目遣いは堪らない。ネガティブな感情もすべて吹き飛ばされてしまう。これからも明るい作品を描き続けていきたい、と思わされる超キュートな点描作品である。
〈技法について〉
1880年代にスーラが提唱した点描技法に影響を受けている。知的であり冷たく機械的でもある、一度見たら忘れ難い印象を与えるその表現が魅力的で、独学で点描画制作を始めた。アクリル画材を混色せずに細い筆先によってキャンバス上に点で並置させ、鑑賞者の網膜上で混色させることで、視覚の中で作品が完成するような表現を目指している。黒を使わずに黒(影)を表現し、白を使わずに白(光)を表現できるように心がけている。