切るということは空間を創造することです。空間とは、広がりをもった連続体であり、物質全体に同時にその存在の場所を与えている実在であると考えられています。真空の存在、空間と物体との関係、空間的位置の絶対性と関係性、空間そのものの実在性、幾何学と物理的空間との関係など、多くのさまざまな問題が論じられてきました。紙を重ねるという技法を通じ、『空間』の可視化を追求していきます。又、「紙による機械的表現・無機物と有機物との融合」は現代に対する一種の訓示的表現です。1本のネジが人類にもたらした「変異」はうねりとなり生物全体を飲み込もうとしています。我々は機械という媒介を通じた新たなる進化の過程にあるのです。