1988年生まれの高石優真は、「記憶の潜在に問いかける装置」をテーマの一つに植物や動物の骨などを素材にした立体作品を制作している。美術科のある高校で学んだ彼は、一時は空間そのものを作品にしたいという希望から建築家を目指した。だが、ある時参加した芸術祭にて、建築家以上に空間を自由に扱うアーティストの姿を見、その世界へと進んだ。 「自分が想像したものを現実世界で見たい」という思いを原動力にスタートするという高石の製作は素材の研究に始まるが、中には4年かかったシリーズもあるほど徹底したリサーチを制作の根底に置く。「素材にはなりたがっている形がある」と高石は語り、自身の作品はその瞬間を切り取ったものであるといい、また展望としては作品を置く空間、建築、環境と、アートの垣根を超えた制作をしていくこと、さらにアートの視点から空間を支配するということが根源で夢だと話す。
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