CONTENT TYPE

INTERVIEW

注目の若手現代アーティスト：U-kuとは？

2023/04/12 TRiCERA ART

このシリーズでは、日本の若手で今注目すべき活躍をしているアーティストを紹介していきます。
第一回目は、U-kuです。

U-kuの経歴と作品

1989年兵庫県神戸市生まれ。2016年に銀座で初個展を開催したことをきっかけに作家活動をスタート。
第３回日本文藝アートコンペティション最優秀賞、2021美の起原展奨励賞、tagboat主催アートフェア「Independent2021」審査員特別賞、イタリア ARTE DESIGN VENEZIA 「the Wonderland」準グランプリ。
2021年天王洲 WHAT CAFE 企画展、銀座「100人10」選出、2022年東急プラザ渋谷フクラス個展、2023年 POLA ANNEXグループ展ほか。
幼少期の経験から孤独をテーマに、抽象画を描く。
水彩絵具をベースとしており、偶然性が作品の大部分を占めている。
また、抽象画に親しみをもってほしいとの想いから、少女などの小さなモチーフがちりばめられている。

Love the life you live
W 53.00cm x H 45.50cm｜¥150,000

ひとりにして
W 27.30cm x H 22.00cm｜¥53,636

U-kuの魅力

U-kuは幼少期から転居が多く、アメリカでの居住経験や帰国後の生活などで感じた孤独を制作テーマとして掲げる。
大学卒業後は外資系企業に勤務し、結婚・上京を機に銀座の画材屋で額装担当として勤務。系列レストランでの展示企画に出展したことからアーティストとしての活動がスタート。
彼女の描く作品は抽象画だが、彼女自身、当初は抽象画を理解することは難しいものと感じていた。
そのような中、アーティストとして、抽象画に親しみをもってほしい・どうしたら抽象画に興味を持ってもらえるか、と考え着いた答えが、小さなモチーフを入れることだった。
彼女の作品には、抽象画ではありながら、少女や動物などの小さなモチーフがちりばめられている。作品全体の雰囲気を決して邪魔せず、またあくまで抽象画であることを大切にしながら、ナビゲーターとしての役割を果たしている。

その絵から受け取るもの、そしてモチーフがどういった感情でそこに佇んでいるか、全ては鑑賞者に委ねられることになるが、「モチーフはどこにいるんだ？」「どういう感情なんだ？」と足を止め、その絵を覗き込んだ時点で、U-kuが目指した”抽象画に興味をもってほしい” ”親しみをもってほしい” という目的の一部は達せられているのかもしれない。

また、彼女の絵を近づいて見る・少し俯瞰して見る、を繰り返していくうちに、微妙な色の違いや滲み・掠れに気づく。彼女の作品は水彩絵具をベースとしており、偶然性が大部分を占めている。彼女自身、自分がアーティストになったのは様々なご縁・偶然が重なったものだと考えており、”偶然”というものが、彼女にとってキーワードになっている。
そんな彼女が水彩絵具を用いることは、ある意味必然かもしれない。ミクストメディアとしてアクリル絵具なども使用しており、光の当たり方によって艶やかさも垣間見える、表情に富んだ作品となっている。

追いかけっこ
W 33.30cm x H 33.30cm｜¥67,273

祈
W 45.50cm x H 45.50cm｜¥100,909

アートマーケットでの評価

作品単価は着実に推移しており、インディペンデント（非美大卒）でありながら、高い感性と表現力で人気を博している。
2022年に本屋大賞2位となった青山美智子氏（小説家）の装画を担当したことでも話題に。
絶えず新しい手法に挑戦しており、今後の期待が高まる作家である。
アーティストインスタグラム

アーティストTwitter