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マネ「草上の昼食」|女性の裸を描き、大批判を受けた絵画!?

2023/04/05
TRiCERA ART TRiCERA ART


《草上の昼食》1862-1863年 オルセー美術館
19世紀のパリ画壇で、衝撃的な作品として大きな物議を醸した作品《草上の昼食》。
今回は、その作品にまつわる解説と、作者のマネに関する解説をお届けします。


《草上の昼食》とは?

作品の基本情報

作者:エドゥアール・マネ
制作年:1862年–1863年
素材:カンヴァスに油彩
寸法:208 cm × 265.5 cm
所蔵:オルセー美術館、パリ

パリ画壇に物議を醸した大スキャンダル

19世紀当時、パリの美術界はサロン(官展)と呼ばれる、王立アカデミーが主催する公式展覧会が画家の発表の場の中心でした。サロンに出品し、入選して展示されることが最も名誉あることだったのです。
マネも、《草上の昼食》をサロンに出品しましたが、「現実の裸体の女性」を描いたことが不道徳的だという理由で落選しました。
サロンに落選した作品を集めて展示する「落選者展」というものも存在し、そちらに出したところ同様の理由で批評家たちから大ブーイングを受け、大きなスキャンダルを巻き起こしました。

落選者展の様子

作者エドゥアール・マネとは一体誰?

ここで、作者のエドゥアール・マネとは一体どんな人物なのか、ざっと見てみましょう。
マネは1832年にパリで生まれ、1883年に同じくパリで没しました。
「印象派の父」として広く知られる画家で、伝統的な絵画の約束事にとらわれずに、同時代的な都市の光景を鮮やかに描き切ったり、はっきりとした輪郭線や平面的な色彩で表現することで、絵画の革新の担い手となりました。

彼は他の印象派の画家の中でも特にモネとは親しく交流を続け、モネのアルジャントゥイユの家を度々訪れ、戸外制作などの印象派の手法を取り入れた作品も制作しました。

本記事で取り上げている《草上の昼食》スキャンダル、さらに《オランピア》という作品でもさらなる大スキャンダルを巻き起こしたことでも有名です。

『オランピア』, 1863年


最後の大作《フォリー・ベルジェールのバー》, 1882年


《草上の昼食》が批判された理由

タブーであった女性の裸

なぜ、マネの作品はスキャンダルと言われるほどの批判を浴びたのでしょうか?
当時主流であったアカデミック絵画及びそれ以前の西洋絵画史において、裸体の女性は神話や歴史上の出来事を描いた作品において登場するものでした。
そのため、マネが当作品で描いた「現実の裸体の女性」は画期的なものであり、同時に批判の対象となってしまったと言えます。

過去の裸婦像の描き方

実は、《草上の昼食》は過去の二人の巨匠の作品のイメージを組み合わせ、マネ独自の変更を加えた構成となっています。
ティツィアーノの《田園の合奏》を背景に、16世紀初頭にマルカントニオ・ライモンディがラファエロの《パリスの審判》をモチーフに制作した銅版画に登場する3人の男女の人物像がモデルにっています。
ライモンディの作品では3人の人物は裸ですが、マネは男性2人を服を着た状態で描き、女性のみを裸のままで描きました。

ティツィアーノ, 《田園の合奏》


マルカントニオ・ライモンディ作『パリスの審判』 右下の3人の人物を参照

タイトルはモネを意識した?

この作品のタイトルは現在は《草上の昼食》となっていますが、発表された当時は《水浴》というタイトルが付けられていました。
実は、マネのこの作品を見た同時代の他の革命的な画家の一人、クロード・モネもそのオマージュ作品を描いているのです。

モネ「草上の昼食」 1866年 オルセー美術館
モネのこの作品が発表された翌年、マネはモネを意識して、自作のタイトルを元々の《水浴》から《草上の昼食》に改題しました。
当時の若手の画家たちの活発な交流がタイトルから伺えるのも面白いポイントです。


《草上の昼食》の鑑賞ポイント

パリの社会背景を元にした、マネが伝えたかったメッセージ

上述したように、マネの《草上の昼食》はティツィアーノとライモンディという過去の画家のイメージを組み合わせ、現代風に変えたものに過ぎませんでした。
しかし、その「現代風に変える」のがどのように行われたのかというと、それは「女神として描かれていた女性の裸体を、人々が現実で目にする女性、しかも娼婦の裸体として描く」というものでした。

これは、歴史画が主流であったサロンにおいて、裸婦表現が「歴史・神話画」の名義のもとに男性の性的欲望の対象となっていたという現状に対する、痛烈な皮肉として効いたと言えます。
描かれている裸体の様子自体はそれほど変わらないにも関わらず、神であるか人であるかという意味のもとで受け取り方が全く変わってしまう。そのような芸術の価値判断の恣意性が、この作品が大きな批判を呼んだという事実によって浮き彫りにされました。

革新的な表現手法

さらに、この作品はマネに特徴的な、前面から当たっているような光で平板なモチーフの描き方が実践されています。
古典的な絵画では、人の身体のボリュームを表現するために、斜めの角度から光を当てることで生まれる影をグラデーションで描くのが主流でした。
しかし、この絵では特に裸婦の描き方に顕著ですが、まるで裸婦の後ろの暗めの色彩から平面的に浮き上がってくるような、ぺったりとした塗りとはっきりとした輪郭がわかります。
他の作品においても、このように平板なボリューム表現はマネによく見られます。

『バルコニー』1868-69年


『すみれの花束をつけたベルト・モリゾ』1872年

《草上の昼食》が他作品に与えた影響

大きな話題になったこの作品は、モネとセザンヌ、またピカソなど様々な芸術家にインスピレーションを与え、彼らはオマージュ作品を描きました。
モネの《草上の昼食》は、理由は定かではありませんが、モネ自身の手によって発表される前に2つの部分に切断されており、「中央部分」と「左部分」に分かれて保存されています。

《草上の昼食》、1865年 - 1866年



《草上の昼食》セザンヌ, 1876 -1877年
セザンヌもおそらくマネの《昼食》を見ていたと考えられますが、エクス・アン・プロヴァンス周辺の田園地帯での楽しい思い出を表現したものに過ぎない可能性もあります。


《草上の昼食》ピカソ, 1960年
この作品は直接的な影響を感じさせるものですが、ピカソの代表作と言っても良い《アヴィニョンの女たち》も、マネの絵画からインスピレーションを受けている可能性も指摘されています。


James Tissot, La Partie Carrée, 1870


Herman Braun-Vega, Les invités sur l'herbe d'après Vélasquez, Manet et Picasso, 1970
こちらの作品は、マネの作品だけではなく、ヴェラスケスの《ラス・メニーナス》やピカソの作品のイメージも貪欲に取り入れたものです。


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現代アートの歴史・楽しみ方・各アートジャンルの解説など、役に立つ情報を芸術大学卒業のキュレーターが執筆しています。TRiCERA ARTは世界126カ国の現代アートを掲載しているマーケットプレイスです。トップページはこちら→https://www.tricera.net